截金について

截金(きりかね)は、切金とも書き、また細金(ほそがね)と呼ばれた時代もありました。 純金箔やプラチナ箔を 数枚焼き合わせ、厚みをもたせたものを鹿皮の盤の上で竹刀にて細く線状、または、丸・三角・四角などに切り、
それを筆端につけて貼りながら種々なる文様を描き出す技法で、仏像や仏画の加飾荘厳として用いられました。
 
 六世紀に仏教とともに大陸より伝えられ、最古のものは飛鳥時代の法隆寺金堂の「四天王像」や
東大寺戒壇院の「四天王像」、正倉院宝物の「新羅琴」の表面に見ることが出来ます。
その後十一世紀頃より浄土教や法華経美術に多用され、わが国独特の截金として
典雅、華麗なる仏教美術の華を咲かせました。

 文様も唐草文・つなぎ文・七宝文などの曲線文様なども加わり、十三世紀頃には他の仏教美術とともに

頂点を極めますが、次第に仏教美術の凋落、金泥技法の出現などで、截金の手法は衰退し、
その名称すら忘れ去られていました。
そして近世以降は、東西両本願寺の庇護のもと少数の截金師により伝承されて来ましたが、
その截金の技法を一般に広めるため、茶道具や工芸品に応用し創作を重ね、その功績が認められ
国の重要無形文化財に認定されたのが、齋田梅亭(~1981)、西出大三(~1995)、
そして、母、江里佐代子(~2007)でした.
 

截金の技法

金箔を4〜6枚貼り合わせ、厚みをもたせたものを 鹿皮を張った台の上にのせ、竹刀で髪の毛ほどの幅 で平行に一本一本丁寧に切り出す。

2本の筆で一方に膠(にかわ)と布海苔を混ぜた接着剤 を含ませ、もう片方の取り筆で神経を研ぎ澄ましながら 金箔を置いていく。
   
数百年もの間、変わらぬ技法。

MOVIE

制作工程

左下の再生ボタンを押してください